小説『宮本武蔵』を読んでいると、出てくる一節がある。
武蔵が「切れるように研いでくれ」と刀を差し出すと、「ほほー切れるようにとな」とその主は返してくる。「おん魂研ぎどころ」というのは、その主の店の看板に掲げられた屋号。
「人を斬る」という行いにおいて、魂の在り方を問う「剣の道」。
ウェブ制作をしていて、自身のその向き合い方にどこか相通ずるものを感じる。
売れるようにする。人を集められるようにする、きれいなデザインのサイトではもの足りない。
ウェブ制作も、おん魂研ぎどころなのだと思っている。制作を通して、作る人も作ってもらう人も、時には立場をチェンジしながら、魂の向上、心の清らかさを問う自分がいる。
お写真は、自宅の包丁と砥石。がりがりと包丁を研ぎながら魂の在り方に想いを馳せた次第。