韓国で戒厳令が布かれて、一時騒然となった。すぐに戒厳令そのものは解除されたようだが、韓国内の政局は混乱が続いている。いったん戒厳令が布かれたら、国民の自由はなくなり、政権を担う人の独断が可能となる。政務にあたる政治家の任期も延長され、選挙を行うことなしに、一方的な政治を続けることも可能になってしまう。国民の意思をまるで反映しない、一部の人の思惑で国の政治が行われてしまえば、それは独裁と呼ばれる。
決して他人ごとではない。日本でも、状況は違っても、韓国で起きた同様のことが起こりかねない状況がある。日本政府は「緊急事態宣言」を憲法に盛り込もうとしている。それがこの戒厳令と同様の事態を招くことになる。「緊急事態」だからと言って、政府が何をやってもいい。わけがない。まして、信任を得られていない政府に、政治運営を一任することほど怖いことはない。狂気の沙汰である。